カタルーニャ独立派への禁固刑にバルセロナが批判声明…ピケやシャビが支持「このクラブの一員であることを誇る」

カタルーニャ独立派への禁固刑にバルセロナが批判声明…ピケやシャビが支持「このクラブの一員であることを誇る」

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バルセロナは14日、カタルーニャ州独立の是非を問う住民投票を実施した前州閣僚ら9人に禁錮刑の有罪判決を言い渡されたことを声明で批判した。

スペイン最高裁は同日、2017年にカタルーニャ独立の是非を問う住民投票を強行的に行ったとして、前州閣僚ら9人を有罪判決とした。最低9年の禁錮刑を前州閣僚らに言い渡し、ウリオル・ジュンケラス前副首相が最も重い13年の禁錮となっている。

歴史的にカタルーニャの自由を主張するクラブとされてきたバルセロナは、この判決を受けて公式HPで声明を発表。次のように記している。

「FCバルセロナは歴史的なカタルーニャの象徴的組織として、また表現の自由と自決権の遵守という観点から、最高裁のカタルーニャ市民と政治の代表者に対する判決に対して、次のことを表明します」

「未決勾留が軋轢を解決する助けとはならなかったように、本日下された禁固刑の判決も解決とはなりません。今、カタルーニャが経験している軋轢の解決は、政治的な対話のみによって行われなければなりません」

「したがって、クラブは政治的責任者たちに対して、この軋轢を解決するために対話と交渉を先導するよう求めます。同様に、有罪を言い渡されたカタルーニャ市民と政治の代表者たちの解放も認めなくてはなりません」

「FCバルセロナは同様に、自由を奪われた人々の家族への支援と結束も表明します」

以下略

引用以上

サッカーファンにもあまり知られていないかもしれないが、FCバルセロナが所在しているバルセロナはスペインのカタルーニャ州にあり、使用言語はスペイン語ではなくカタルーニャ語であり、民族はカタルーニャ人であって、彼らが自治権を持つ自治州である。

スペイン経済がカタルーニャに強く依存している意識があり、民族意識が強い事からも、独立問題が2017年10月10日にカルラス・プッチダモン州首相らによって署名された事から問題になっている。

そのためにFCバルセロナとレアルマドリードの試合はスペイン人対カタルーニャ人といった構図となり、現地サポーターの応援の熱も燃え盛るのだが、サッカーファンとしてはここは気にならないはずが無い問題だ。そのためにピケや元バルサのシャビまでこの問題に言及せずにはいられない状況になっているといった状況である。

スペインは民主主義国家であり、王国でもあるのだが、中国や北朝鮮とは違い我々と同じ自由主義国家であるならば、それは思想の自由が保障されているはずであり、その思想が独立主義であっても、思想の自由は守られなければならない。そこで州政府の閣僚たちが自分たちの権限を使ってその民意を問うために住民投票をしたところで何の問題も無いはずである。サッカーファンとしてはカタルーニャが独立した場合、バルセロナのリーグ戦は一体どうなるのかと気になるところだが、サッカーよりも人権がまず優先されるのでやむを得ないところだ。

スペインはEUに所属しているいわゆる先進国の一国であるが、この問題を機にスペインの人権に関して疑問視せざるを得ない問題があるのではないだろうか、スペイン側としてはバルセロナはオリンピックを開催したほどの都市であるため、カタルーニャが独立してしまうとその他の地方に経済的な負担がかかるが、それは裏返せば、スペイン人を負担するためにカタルーニャ人たちが苦労を強いられているという事の証明でもある。

カタルーニャ人たちがその問題に対して声をあげてはいけないというのであれば、もはやスペインは先進国でも自由主義国家でも民主主義でもなくなっているのかもしれない。

 

[ニューヨーク 16日 ロイター] – スペインのカルビニョ経済相代行は16日、カタルーニャ自治州の経済成長率が国内の平均水準に回復すれば、スペインの成長率は欧州連合(EU)全体を一段と上回るとの見通しを示した。

このカルビニョ経済相代行の言いぶりはどうか、スペイン経済がカタルーニャにばかり依存している事を裏打ちしているような発言をしている。このような事を言われてはたまらない。もし自分がカタルーニャ人であったならば、独立をして自分たちだけで経済を形成した方がましであると考えても仕方がない状況であって、このカルビニョ代行は、スペイン経済の成長が鈍っている事をカタルーニャ人の独立問題のせいにしており、「カタルーニャ人ががんばれば我々は経済成長するのだ」と言っているではないか。

このような政治問題にサッカーチームが言及するのは珍しい部類の事だと思うが、人権を尊重しないスペイン政府のやり方は、むしろ国家としてのスペインの品格を貶めており、FCバルセロナの運営陣による勇気ある発言を応援したい次第である。